1944年9月29日~10月5日、マルツァボットの虐殺。🇮🇹

イタリア社会共和国エミリア=ロマーニャ州ボローニャ県マルツァボットで起きたナチス親衛隊による村民虐殺事件を描いた作品。

1943年7月9日、イタリアの王党派軍部は連合軍のシチリア上陸に乗じ、クーデターを決行、国家元首ムッソリーニを幽閉した。それに代わったパドリオ内閣は直ちに連合国への降伏とドイツへの宣戦布告を発表するが、国王と政権がイタリア南部へ脱出したことを受け、ドイツはムッソリーニを奪還する。この時からイタリアはドイツが北部を支配し連合軍が南部を占領する南北分断状態になる。それから1年をかけて連合軍が北上し、1944年6月に首都ローマ以南までを解放できた。

本作はそれから4ヶ月後、ローマより365km北部の村が舞台。この地域は未だドイツの補給路として機能していた。

監督のジョルジョ・ディリッティ氏はボローニャ出身。それもあってか、村の生活は優しさに溢れ、その後の虐殺はドイツ語の怒号だけが響く冷たいものでした。主人公の少女マルティーナは戦争を知らず、ナチスも連合軍も知らず、憎悪すら知らない。周りの大人の不穏な空気が感じ取れるのだが、決して何も教えてもらえない。マルティーナは戦争を知る前に戦争および暴力を見せられていく。非常に凄惨かつ憤怒を感じるシーンもある。この事件を後世へ伝えようとする監督の決意が伝わった。

1945年4月21日にボローニャは連合軍によって解放された。