西暦1819年8月16日、ピータールーの虐殺。🇬🇧

イギリスのマンチェスター市セント・ピーターズ・フィールドで発生した民衆弾圧事件。この背景に3つの要因がある。

一つはナポレオン戦争(1803年~1815年)の余波。産業革命前のイギリスは半分を織物業関連が占めていた。中でもマンチェスターは〝コットン・ポリス〟と呼ばれる最大の綿工業都市。それが、戦時中はフランスの大陸封鎖で対欧貿易を止められていた。それにより、戦後は織物業の賃金が10年前の1/3ほどに。他、国内特需の終焉や帰還兵の失業も重なり、マンチェスターは特に大きな不況を被った。

二つ目は穀物法。穀物法とは、穀物の国内価格が一定値(現:1Qあたり4£)に達するまで外国産小麦輸入を禁止する法律。ちなみに、1Q=1.136Lの小麦粉で食パン3~4斤が作れる。平均年収50£~100£(富裕層はこの5倍)の時代である。この目的は領主や地主の農作物収益の保護である。イギリスは未だ〈重商主義〉の時代、国は庶民でなく富裕層を守っていた。

三つ目は腐敗選挙区。当時のイギリスの選挙権は土地を有する成年男子かつ、土地の賃料を得ている者のみに与えられた。特に、地方選挙区は選挙権を持てる者も必然と少なくなり、投票者の買収も当然、投票時も口頭投票だったために公平性を欠いていた。結果、地方選挙区は一定の派閥の富裕層に占有されてしまい、その土地に住む庶民の声が黙殺されていた。

こういった理由の改善を求めて集会が行われたのだが⋯。

監督作は初でした。〝庶民の視点〟を大事にされていました。庶民の衣食住や労働シーンをつぶさに描き、庶民の視点から集会へ至る経緯が丁寧に描かれていました。事件後、当時の国家や王族が必死に弾圧を正当化したみたいですが、本作で犠牲者の名誉回復も確かなものになったはず。この後、イギリスは植民地などの対外政策へ転換する。体裁を気にする貴族は国内の怒りにかなり狼狽えたのかも知れませんね。結果、産業革命が始まるのですが。

◼️評価
物語:0.4/映像:0.5/美術:0.5/主演:0.5/リピ:0.3
結末:0.4/演出:0.3/音楽:0.3/助演:0.4/満足:0.4