スコア:4.6/5.0

イデオン後編 ∆

◼️感想
引き続き、再考察。イデが人類に終末をもたらす発動篇です。接触篇のレビューでも書きましたが、『伝説巨人イデオン』は富野監督が描いてきた相互理解の極論に当たると思います。その理由が後編である発動篇にあります。

発動篇は相互理解できなかった人類の滅亡を描いています。しかし、そこに絶望はなく、むしろ希望がある。生から解放された時こそ理解し合えるのだと。「死んだら理解し合える」なんて正に宗教なのですが、富野監督はガンダムでそれを描いてきた。正確には「死ぬほど戦ったら理解し合える」だろうけど。暴力は相手に相互理解を求める方法であり、その最たる戦争は相互理解を求める集合意識の場のようなもの。ファースト、Z、ZZ、逆シャア等々、皆が理解されたいがために戦ってきた(主人公は何となく戦っていた者ばかりだが)が、いずれも道半ばで叶わず。どの作品も個人間で相互理解できたものの、人類全体の相互理解に至っていない。そこに結末を用意したのが本作でした。と言っても、「人類を滅亡させてから新しい人類にまかせる」という極論なのですが。

この「リインカーネーション(輪廻転生)」こそが本作のテーマであり、富野監督が戦争アニメを描き続ける理由であり、人類が相互理解に至る死生観なのです。長くなったのでまたいつか。

物語:0.4/映像:0.5/主演:0.4/リピ:0.5
結末:0.5/音楽:0.5/助演:0.3/満足:0.5