伝説巨人イデオン 接触編
スコア:3.2/5.0
イデオン
◼️感想
再考察。地球人と異星人が接触する接触篇です。富野監督はガンダムシリーズで人と人の相互理解を描いてきましたが、特に劇場版イデオンはその極論に当たる。絶滅を前にしても、やはり人は相互理解できないのだと。
劇場版はテレビ版を大きく改変しています。テレビ版のプロットは結末に至るまでがファースト・ガンダムに酷似していますが、そこにイデ=神という宗教観を加えたのが劇場版です。この接触はイデによる人類救済計画であり、イデは両者に対して何かしらの〈結果〉を求めたのだと。
しかし、イデオンを持つ地球人とイデオンを持たない異星人の相互理解は平行線のまま。現実世界に例えるならば、これは核保有国と核非保有国の関係です。核保有国と核非保有国は自ずと軍事力による上下関係が成立してしまう。これでは理解し合えないのだが、イデオンは力を増していくばかり。同じ容姿、同じ技術力、同じ価値観の地球人と異星人ですが、イデオンを巡る争いが激化していく。
テレビ版では異星人がサムライを語っており、おそらく異星人のモデルは日本人かと。本作、富野監督は力を持つ国と力を持たない日本の相互不理解を暗示すると同時に、日本の戦争に対する自己内省の意味も込められているように思います。
◼️補足
※イデとは地球人が接触した6番目の文明が創造した知的生命体の集合意識であり、無限のエネルギーを有している。
物語:0.2/映像:0.4/主演:0.2/リピ:0.3
結末:0.3/音楽:0.2/助演:0.3/満足:0.3
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