SW:エピソード5/帝国の逆襲
3ABY。
ノベライズ版を読了しました。
ルーク・スカイウォーカー:22歳
レイア・オーガナ:22歳
ハン・ソロ:33歳
チューバッカ:203歳
ランド・カルリジアン:45歳
ダース・ベイダー:43歳
第一作目『エピソード4/新たなる希望』は言わば単発作品。「主人公ルークが戦士になり、師匠の死を乗り越え、悪の要塞を破壊する」という英雄物語はこれだけで完結していた。〈フォース〉や〈銀河帝国〉などの用語に疑問の余地があったものの、それらはファンタジー作品にありふれた設定であり、必ずしも語らなければならないことでもなかった。事実、スター・ウォーズ公開当初の題名は単なる『スター・ウォーズ』のみ、副題が付け加えられたのはエピソード5公開後になる。この完成されたSFファンタジーにあえて世界観を書き足し、それを成功させたのが第二作目『エピソード5/帝国の逆襲』だった。
では、本作の成功の秘訣は?
脚本はリー・ブラケットとローレンス・カスダンが担当している。前者は主にジョン・ウェイン主演西部劇の脚本を担当してきた方だ。スター・ウォーズの画期的な点はSFと他ジャンルをミックスさせたことにある。第一作目はSFとファンタジー、第二作目の本作はSFと西部劇である。スター・ウォーズ以前のSF作品は「人類の未来」に固執するあまり突飛で難解になるのが常だった。『続・猿の惑星』や『スター・トレック』が例。これらマニアックなSFを大衆作品に翻訳したのがスター・ウォーズだった。
作中のミレニアム・ファルコン号の逃走劇は賞金稼ぎに追われるガンマン一行。作中のクラウド・シティでの銃撃戦は町を二分した決闘劇。宇宙という設定を排せば我々にも慣れ親しんだ西部劇に見えてくる。
ハン・ソロとレイア姫
後者は後に『失われたアーク(1981)』や『ボディガード(1992)』などを執筆する方だ。両作の共通点は主人公が粗野で最初はロマンスの欠片もないこと。対照的に、ヒロインががんばっていくこと。これらのいわゆる「逆お姫様パターン」は中世貴族的ロマンスと違った現代的アメリカンロマンスの形なのである。
本作で見てみよう。ハン・ソロは見ての通りのぶっきらぼうで一匹狼でロマンスの欠片もない。これが不思議なことにロマンスしていく理由はレイア姫が自身の恋心を確かめるようにソロへ嫌味や反発を繰り返していくラブコメにある。このシーンはノベライズ版だとセリフのみの短文が続く非常に印象的な部分になっていました。名作『ローマの休日(1953)』のような逆転ロマンスがSFに取り入れられたことも本作の人気に一役買ったことでしょう。これら人種差別や性差別を最初に排したのもSFというジャンルのすごいところ。
以降の映画はヒロインの存在感が大きくなったように思う。
ノベライズ版との相違点
後発のノベライズ版で補足された部分はありませんでした。言い換えれば、「映画版で完成していた」ということ。ただ、ノベライズ版は〈シーン解説本〉としてある。各シーンごとの登場人物の心理描写はノベライズ版に勝る解説はないと思います。
今では、スター・ウォーズも古典SFに分類される。SFがありふれている現代では本作の輝きも失われつつあります。確かに、ミステリーやロマンスが普遍的であるのに対し、SFが科学である以上は新古が明確になる。けれど、二世紀の風刺作家ルキアノス作の最古のSF『本当の話』から人類は月へ行く方法を考えてきた。つまり、1800年が経ってやっと方法を見つけたのである。それならばスター・ウォーズも現実になるまで決して色あせることがないはず。まぁ、本シリーズは「遠い昔⋯」と銘打たれているのですが。
◼️原作
小説:スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲
作者:ドナルド・F・グルート
訳者:上杉隼人・潮裕子
出版:講談社文庫(2015/12/15)
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