1860年3月3日。🇯🇵

安政7年3月3日に江戸城の桜田門で江戸幕府大老の井伊直弼が暗殺された事件を描いた作品。

原作未読。世にいう「桜田門外の変」の首謀者側を追った作品。決行三日前から決行まで、さらに決行後の顛末も描く。また、七年前の黒船来航まで遡りつつ、変へ至る経緯も描かれています。けれど、話が前後する。

北大路欣也さんといえば『銭形平次』かな。時代劇俳優はいつまでも眼光が衰えない。大沢たかおさんの袴姿。またタイムスリップしてきた?

桜田門外の変は言わば独裁者の暗殺。井伊直弼は日米修好通商条約(1858年)を天皇の意向なく締結。これは二百年の鎖国を勝手に破ったことを意味する。それを世間に批判されたために、安政の大獄(1858年)でアンチを弾圧。吉田松陰など。これらの裏で天皇が水戸藩に次期将軍の打診をしていたこともあり、水戸藩主の徳川斉昭も処罰されてしまう。これに怒ったのが本事件の首謀者である水戸藩士たち。これぞ侍の矜持。

実は、井伊直弼は対外政策の慎重派。黒船来航後、英国や蘭国も開国を要求してくることを見越して、米国に庇護を求めての修好通商条約だったのだが。また、条約締結は井伊直弼ではなく、上田藩主で老中の松平忠固の意向が強かった。即刻、松平忠固を罷免したのだが、世間は井伊直弼のせいに。政も顔が命。

日米関係は黒船来航以来270年の歴史がある。歴史ならば、現総理が日米関係を続けるしかないのも無理はない。しかし、日本が対米関係で経済成長できたのも事実。これは井伊直弼の強行あってのこと。それでも、名誉挽回の機会が今のところないのを見ると、悪代官は悪代官なのが時代劇の悲哀かな。

◼️原作
題名:桜田門外ノ変(上下巻)
作者:吉村昭
出版:新潮文庫(1995/4)