小泉八雲原作の四つの怪談のオムニバス作品。

四つの怪談のうち前二つは男女の色恋沙汰の話。しかも、男に教訓を与えるもの。

「黒髪」
捨てた妻に祟られる男の話。亭主役は三國連太郎さん。若いが、真正面顔の斜めアングルに面影がある。黒澤明時代は体全体で演技する役者が多い。例えば三船敏郎さん。本作の三國さんもなかなかどうして。妻役の新珠三千代さんは昭和美人。

「雪女」
雪女と出会ってしまった男の話。男は好いた女に何でも打ち明けられる性分なのだが、女性は違う。これも仲睦まじい事なのだが。女心に男は呆然。男役は仲代達矢さん。若いが、無精ヒゲに面影ある。雪女役は岸恵子さん。かすれ声に艶あり。

「耳無し芳一」
平家の怨念に憑かれた法師の話。和式エクソシズムです。冒頭の琵琶の弾き語りも由あり。平家は壇ノ浦で幼い安徳天皇を含む多くが入水した。その怨念たるや。芳一役の中村賀津雄さんは中村一門の歌舞伎役者。琵琶の弾き語りが歌舞伎の竹本に聴こえる。他、丹波哲郎さん、志村喬さん、田中邦衛さん。見れば分かる。

「茶碗の中」
茶碗の水に映る見知らぬ男に悩まされる侍の話。理由は不明ですが、この話は結末が存在しないとのこと。そこがまたホラー調です。侍役の中村翫右衛門さんも中村一門の歌舞伎役者です。