2001年5月27日。🇵🇭

フィリピン南西パラワン島で起きた外国人観光客ら21人誘拐拉致事件「ドス・パルマス誘拐事件」を描く。実際は17名が島民でした。外国人4名?のうち3名?が死亡。本作は生存者の手記による。

アマプラ見放題終了間近の再鑑賞。

本作に映画的抑揚はありません。退屈な事件再現作品です。しかし、ある一点で恐怖する。それは人がストックホルム症候群になっていく過程です。事件現場、フィリピン出身監督、フィリピン人役者。さらに、フィリピン国軍のみならず、なんと拉致した組織アブ・サヤフまで協力した作品。感情移入する人は注意。

人質は377日間1600kmも連れ回された。

「野蛮」とは倫理観がないこと。西洋は長く暗い歴史だったが、キリスト教の倫理観を身につけた。聖書が宗教家でなくとも文化に刻まれている。我々が西洋に憧れるのは彼らが聖書で語られる正義や愛を尊重しいることを、映画を通して見てきたからだろう。聖書は水戸黄門の印籠なのだ。

では、宗教基盤がないアジアはどうだろう。何が彼らに倫理観を教えるのか。おそらく、資本主義である。アブ・サヤフは東西の資金で活動していた組織が冷戦終結で変化したもの。まさに『007』なのだが、この組織に信条はない。それ故、近年は身代金誘拐を繰り返した末、2024年に最後8名が投降したことで消滅している。そこに至るまでに、フィリピンに国家非常事態宣言が出されていたことを知る人は少ないと思う。また、この事件はフィリピンの政治家や有力者も賄賂を貰っていた。これが先進国に歴史を委ねた国々である。

本作は評価が著しいけれど、監督は故郷の現状をそのまま伝えたかったのだろう。この事件は我々には犯罪なのだが、敵勢力には外国人排斥運動である。本作は人質とテロリストの無言の会話の一言一句まで紡いだ作品だったように思います。それほど、言葉に出せない感情を恐怖に変換しています。

これから、第三世界の動向に注視すべし。

◼️評価
物語:0.4/映像:0.4/美術:0.5/主演:0.3/リピ:0.3
結末:0.4/演出:0.5/音楽:0.4/助演:0.4/満足:0.4