ヴィル
スコア:3.5/5.0
◾️特徴
ドイツ占領下のベルギー国アントワープが舞台。ベルギー警官ヴィルがある事を契機にドイツ秘密警察のユダヤ人狩りに加担させられてしまう。2024年アンソール賞作品賞の7部門を受賞。
◾️解説
1940年5月、ベルギーはドイツに降伏しました。ベルギー政府はイギリスに暫定政府を置きましたが、1942年に警察官がナチスに協力し、ユダヤ人の強制移送を行いました。3年後、アントワープは連合軍のバルジの戦いによって解放されました。
◾️感想
ベルギー、オランダ、フランス、ポーランド、ユダヤ人の強制連行に協力した国々はどんな思いだっただろう。戦争行為もだが、ヒトラーの最たる恐怖は「価値観の強要」だった。これがファシズムである。
ベルギーは中立国を宣言したところで第一次も第二次もドイツに占領された。再び、ドイツに屈服しなければならない恐怖が蔓延していた。そんな背景もあって、主人公ヴィルだけでなく、ドイツに隣接する小国ベルギーの運命も悲しく感じた。
我々、島国の日本人と地続きの欧州人では終戦の実感が違う。ドイツと永遠に隣接していくベルギーやフランスやポーランドはドイツを許せるのか。唯一、ドイツが贖罪を得るには歴史の正否を明らかにしなければならない。ホロコーストの被害者はユダヤ人だけではなかったことを教えてくれた作品だった。
物語:0.3/映像:0.2/主演:0.3/リピ:0.3
結末:0.5/音楽:0.3/助演:0.2/満足:0.4
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