SW:エピソード3/シスの復讐
19BBY、スカイウォーカーの物語。
ノベライズ版を読了したのでしたためます。長いよ。
さらに3年、青年に運命の時が訪れる―――。
▪️アナキン・スカイウォーカー:23歳
▪️パドメ・アミダラ:29歳
▪️オビ=ワン・ケノービ:38歳
▪️メイス・ウィンドゥ:??歳
▪️シーヴ・パルパティーン:65歳
◼️遠い昔、はるかかなたの銀河系で…
いよいよ、ジェダイ滅亡の時。2万5千年前、ジェダイは誕生した。6千年前、ジェダイと最初のシスとの戦争があり、1千年前、シスは姿を消した。そして今、シスは政治を影から操り、戦争でジェダイを疲弊させて、ジェダイの英雄を堕とした。ここに「シスの復讐」が果たされたのだ。
◼️感想
このEP3は光が闇へ、ジェダイがシスへ、共和国が帝国へ、取って代わる数日間を描いています。その最後のピースがアナキンです。ジェダイかシスか、アナキンが選んだ勢力が勝利します。この結果は知っての通り。
映画版ではアナキンは一直線にシスを選びますが、ノベライズ版では紆余曲折を経ます。そこで、登場人物の心理変化も重要になってきます。ただ、心理はセリフにない。「」外の文章です。ここが映像化の難しい点でしょう。総じて、スター・ウォーズ作品は映像化が難しい。
以下、ノベライズ版の知識を交えながら、アナキンがシスを選んだ理由の詳細を考えていきたいと思います。
◾️暗黒面とは
まず、シスの思想「暗黒面」について説明します。暗黒面とは持って生まれた喜怒哀楽そのままにフォースを使おうという思想です。故に、シスは友情や愛情も肯定します(前例ない)が、結局は恐怖や憎悪の強い感情に負けている。一方、ジェダイら光明面はこれら感情を抑制して、欲望や執着を捨て去り、フォースの導きにのみ従おうという原理思想です。ここで両者の違いを一つ、
「ジェダイは物事を理解することを通じて力を得る」
「シスは力を得ることを通じて物事を理解する」
◾️アナキンがシスを選んだ理由
具体的な要因は2つ、「執着」と「不信」です。
1つ目。物語ではアナキンはパドメが死ぬ予知夢の回避に奔走しますが、この執着こそが暗黒面です。ジェダイならば、フォースの意思たる予知夢を受け入れるしかない。これに反して、アナキンは予知夢の回避に奔走しますが、ジェダイは執着を捨てることばかり。ここで初めてアナキンはジェダイの思想を疑ってしまう。その波紋がシスの思想を認める余地を与え、最終的にパドメの死を受け入れられなかったアナキンは予知夢の回避策を知るシスを選んだ。これが映画版で描かれた理由ですね。
2つ目。物語ではジェダイはアナキンにパルパティーン共和国最高議長監視の密命を下しますが、これがジェダイの矛盾そのもの。執着しないはずのジェダイがシスにだけ執着する。しかも、違法なスパイ行為まで行い。ノベライズ版ではここからパルパティーンの恐ろしい理詰が始まります。ジェダイのスパイ行為が権力欲からきている事。そもそもがジェダイが善でシスが悪でなく、シスに違法性がない事。ジェダイが自らの意思でフォースを行使できず、戦争を終わらせる気がない事。これにより、アナキンはシスの思想に傾倒していく。そして、ウィンドウのパルパティーン暗殺未遂でジェダイの正当性が失われた。映画版ではジェダイ視点なのでシスが悪の勧善懲悪に見えてしまいますね。アナキンは滅びゆくジェダイよりパドメを救えるシスを選んだ。
結局、アナキンが執着を捨てられなかったことが理由です。妻の命を見捨てることの方が変ですけど。執着は恐れに通じる。物、お金、恋人、価値観、そして命、恐れはこれらのものを失いたくない一心です。あとはマスター・ヨーダの名言を借りる方が早いでしょう。
「恐れはダークサイドに通じる。恐れは怒りに、怒りは憎しみに、憎しみは苦痛へ」 - マスター・ヨーダの名言
悲劇はアナキンがパドメの死を止めるために暗黒面へ転向して、その暗黒面のせいでパドメが死んでしまったこと。ロミオとジュリエットですね。
◼️登場人物について
もう一つ、映画版ではイマイチ説明不足な登場人物の人物像をノベライズ版も加味して説明したいと思います。
◾️パドメ・アミダラとは
民主主義の守り手。アナキンの姉のような妻。パドメは結婚ごっこをしている事に気づく。アナキンは家族の平和を望むが、パドメはすべての人の平和も望む。故に、同じ民主主義の守り手たるジェダイのアナキンを愛した。だが、彼がジェダイを捨てた時、気持ちが離れた。
…出産、パドメは悟った。家族の平和を第一に望んだアナキンの正しさを。すべての人の平和を望んだ自身の傲慢さを。故に、パドメは最期に彼への贖罪を口にした。
◾️オビ=ワン・ケノービとは
真のジェダイ。アナキンの兄のような友人。オビ=ワンはアナキンとの14年間で友情を理解した。暗黒面を理解したが、光明面を選んだ。壊れゆくアナキンを知っていたが、ジェダイとしてアナキンへの執着を拒んだ。
…対決、オビ=ワンは執着を捨てた。それが暗黒面を怒りを消す唯一の方法だからだ。オビ=ワンにできることができないアナキンへの執着を捨てた。19年後のEP4、オビ=ワンは身を犠牲にしてダース・ベイダーの執着を軽くした。それをルークに見せた。なぜなら、執着を捨てさせる事がアナキンを救う唯一の方法だからだ。
◾️シーヴ・パルパティーン
アナキンの叔父のような友人。真のシス。パルパティーンは復讐に執着した。光明面が執着しない極致なら、暗黒面は執着する極致である。この底知れない執着がある限り、パルパティーンは最強のシスであり続ける。
…帝国建国宣言、パルパティーンは勝った。それは支配と不老という新たな執着の始まりだった。この執着は銀河に多くの悲劇をもたらす。54年後のEP9、孫でありジェダイであるレイ・パルパティーンに敗れるまで。
◾️メイス・ウィンドウとは
ジェダイの守護者。共和国の守護者。ウィンドゥは共和国を愛した。半暗黒面になるまで共和国に執着した。それがシスの傀儡政権であると知った時、ウィンドゥの暗黒面があふれた。アナキンはああするしかなかった。
◾️ヨーダとは
最年長のジェダイ。伝統を守るジェダイ。ヨーダは敗北を感じた。この1千年をたゆまず変化し続けたシスの力を感じた。この900年間を変わりない伝統で育ててきたジェダイでは勝てないことを感じた。そして今、新たな方法でジェダイを育てる決意をする。22年後のEP5、フォースに導かれた若者が訪ねてくる日を信じて。
◾️アナキン・スカイウォーカーとは
フォースにバランスをもたらす者。暗黒卿ダース・ベイダー。アナキンは貧しい奴隷だった。羨望、友情、愛情、親切、欲しいものが沢山ある奴隷だった。故に、他人に執着することで同じものを求めた。すべては自分への執着である。それらが正当に得られなかった時、アナキンの暗黒面が激怒した。人ならば当然の感情である。
⋯黒いマスクを装着、アナキンは堕ちた。母のシミを失い、父に思えたクワイ=ガンを失い、兄に近いオビ=ワンを失い、姉のようなパドメを失い、希望だった子供を失い、家族だったジェダイを失った。けれど、アナキンの執着は消えない。失っただけである。もう、アナキンが得られるものは暗黒面だけである。
◼️あとがき
ノベライズ版は専門用語や比喩が多い。特に、比喩が難解でしたが、抽象的な分、映画版の直接表現と違ったシーンを想像ができました。加えて、映画版を延長した補足が多く、どちらかというとEP3の解説書に近い印象でした。そのための592ページでしょう。
◼️補足
※ノベライズ版の情報
▪️原作:スター・ウォーズ エピソード3:シスの復讐
▪️著者:マシュ・ストーヴァー(2005/4/2)
▪️翻訳:上杉隼人/有馬さとこ(2016/12/15)
▪️出版:講談社文庫
◼️評価
物語:0.3/映像:0.3/美術:0.4/主演:0.5/リピ:0.5
結末:0.5/演出:0.5/音楽:0.5/助演:0.5/満足:0.5

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