13BBY~10BBY、ハン・ソロの物語。


ノベライズ版を読了したのでしたためます。


無法者の青年は銀河で密輸業を始める―――。


▪️ハン・ソロ:19歳~22歳

▪️キーラ:18歳~21歳

▪️チューバッカ:187歳~190歳

▪️トバイアス・ベケット:??歳

▪️ランド・カルリジアン:28歳~31歳


◼️遠い昔、はるか彼方の銀河系で…

惑星コレリアは帝国軍の造船所である。その貧民街の一画に犯罪組織「ホワイト・ワームズ」のねぐらがある。ここ、コレリアで孤児となった者はホワイト・ワームズの手下スクラムラットになるほかない。だが、ここにスクラムラットから足抜けしようと企む男がいた。


◼️感想:再鑑賞

スペースオペラとは、宇宙が紡ぐ愛の物語。例えば、光と闇の戦い。例えば、師と弟子の再会。例えば、父と子の対面。もちろん、この無法者と姫の出会いも。すべては愛に始まり、憎しみへ続き、物語となる。


もし、スター・ウォーズが西部劇ならばハン・ソロが主人公だろう。世知、機転、反権力、そして愛、ハンは洋画ヒーローの資質を備えている。図らずも、このハンをヒロイズムへ導いた人物との出会いが本作にある。


ただ、往年のファンの評価は厳しい。ハン・ソロの旧設定と乖離しており、EP9の賛否も向かい風になり、本作の興収が予想の半分ほど。これ以降のシリーズにブレーキをかける結果になってしまった。う~ん、残念。


個人的には、ハン・ソロの旧設定を知らないので楽しめました。ハン・ソロのモデルは俳優ジェームズ・ディーンですが、現代版にデフォルメする必要があったと思います。でも、ハワード監督はジョージ・ルーカスから、


「これは12最の男の子のための作品なんだ」


とアドバイスされたみたいですが、そもそも無法者だしな~と。まだ、ハンは青二才です。ルークと出会うまで残り9年、まだハン・ソロには何かあるはず。


◼️相違点

映画版はやはりスター・ウォーズ。登場人物の掘り下げが少ない。その点、ノベライズ版は小話が盛り沢山。


以下、映画版で描かれなかったシーン。

1、冒頭前のコアクシウム取引詐欺

2、その取引相手の高級車盗難

3、魚市場のウナギ樽に身を隠すハンとキーラ

4、ハンを通した出入国審査官の私情

5、脱出後、ハンの帝国軍アカデミー入学

6、戦争中、ベケットの現地案内人コルソ

7、マントコレクションを自慢するランド

8、キーラがドライデンへ売られる経緯

9、L3が自我に目覚め、ランドと出会うまで

10、ソウ・ゲレラと少女ジン・アーソ


上記の中でも、3と7を描いて欲しかった。3はハンとキーラの学生のような恋愛関係が分かる。7はランドという男が分かる。できる男を演出するが、結局は台無しになる。10はエピローグ。戦利品コアクシウムの行方。


◼️人物像

映画版とノベライズ板を考慮した人物像です。


▪️ハン・ソロとは

ビギナー密輸業者。正義の無法者。ハンは父に捨てられて孤児になった。母の存在は分からないが、キーラやレイアを守る姿勢からすると好きだったのだろう。唯一、そこがベケットと違った。あるいは、ベケットも同じだったのかも知れない。いずれにしろ、EP4でハンは反乱に身を投じる。「誰も信じるな」というベケットと違う選択をするが、それはベケットを反面教師にしたからかも知れない。あるいは、ベケットの真の願望を感じ取っていたからかも知れない。


▪️キーラとは

クリムゾン・ドーンの暫定首領。「生き残る」というのがキーラの信条。一方、「パイロットになる」というのがハンの信条。ハンの信条は失踪した父の口癖だった。キーラは幼少期が描かれていない。本当に頼るものがなかったのか、あるいはそれ以上に悲惨な家族だったか。キーラはドライデンから「権力」というシステムを教わった。ハンと再会したことで自分を取り戻した。


▪️チューバッカとは

惑星キャッシークの戦士。部族の解放者。チューバッカは物知り。伊達に190歳じゃない。宇宙船の操縦、武器の扱い方、地理など情報量は多い。だけど、ウーキー語なので伝わらない。読者はハンの軽い翻訳を待つばかり。


▪️トバイアス・ベケットとは

ベテラン密輸業者。ハンのメンター。「誰も信じるな」がベケットの口癖。反面、リンやヴァルといった仲間を大事にしている。ここまでの矛盾を抱えるまでに至ってしまった男。「誰も信じるな」という助言すら信じるなという真意が、これから事業を始める若者への助言だったのだろう。


▪️ランド・カルリジアン

ギャンブラー。ハンの腐れ縁。ランドも母親だけを尊敬している。それが女性ドロイドであってもレディに優しい。点、ハンに近い。ただ、ランドは拝金主義である。その日の気分でマントの色や柄を決めたり、ミレニアム・ファルコンの内装や備品に高級品を揃えたりする点、ハンに遠い。ただただ、ランドはギャンブラーである。勝つ過程を楽しむ。無謀なケッセル・ランを快諾するほど本能に従順である。その点、ランドとハンは近い。2人は近くも遠いライバル。


◼️あとがき

ノベライズ版は映画版の書き写し。ストーリーはもちろん、シーンやセリフに至るまで差異がない。そこへ、たまに数行の逸話が挟まれている。ただ、ミレニアム・ファルコンだけは文章化されていない。フォルムや飛行能力は映画版で見るしかない。著者も知ってのことか、ミレニアム・ファルコンは目で感じるもの。


◼️補足

※原作

▪️著書:ハン・ソロ

▪️著者:ムア・ラファティ(2018/9/4)

▪️翻訳:稲村広香(2019/4/16)

▪️出版:講談社


◼️評価

物語:0.3/映像:0.3/美術:0.2/主演:0.4/リピ:0.3

結末:0.4/演出:0.4/音楽:0.3/助演:0.4/満足:0.4