否定と肯定
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1996年9月5日、アーヴィング対ペンギンブックス・リップシュタット事件 🇬🇧
◼️概要
ホロコースの有無を巡る裁判の実話です。正確には、ホロコーストの事実を認めているデボラ・E・リップシュタット学士が、ホロコーストの事実を認めていないデイヴィッド・アーヴィング作家に名誉毀損で訴えられた事件です。
◼️感想
名誉毀損が争点ですが、その判断のためにホロコーストの有無を立証しなければいけないという。一見、議論するまでもないですが、裁判は正否じゃない。アーヴィングはホロコーストの事実を否定する公的機会をえるが、道義上からホロコースト被害者を召還できない。裁判は立証した者が勝つ。
なぜ、アーヴィングは明らかな事実を認めないか?ずばり、これは思想の戦いだからです。具体的に言うと、改革と保守、左翼と右翼、連合軍と枢軸軍…など、この裁判もそれに属する。大小、世界はこの二極に分裂しており、歴史を改竄してまでも勝利を望んでいる。
この裁判はホロコーストの被害者が存命であるために立証が容易だが、百年後なら分からない。この戦いは2000年も続いている。無関心な者が多くなるほど、ネオナチや極右が優勢になってしまうのかも知れません。
作中、デボラはアウシュヴィッツ内へ。現在のアウシュヴィッツは文化遺産になっていますが、多くのホロコースト作品を見てきたからこそ寒気がする。作中は美しい雪原なのですが…。
物語:0.4/映像:0.5/主演:0.4/リピ:0.3
結末:0.4/音楽:0.2/助演:0.4/満足:0.4
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